桜海老は、甲殻網サクラエビ科に属する体長わずか4〜5cmほどのエビです。 日中は水深400〜600mの中間層を群れをなしてゆっくり泳いでいるが、 夜間には餌とする動物プランクトンを追って表面に浮上する。腹面の発光器が 薄明かりの水面に対してカムフラージョ効果をもち魚類から身を守る。産卵期は 6〜8月で、1年1代であることから、遺伝学などの学問的見地からも世界的に 貴重な資源としても珍重されている。 静岡県・富士川河口から沖合にかけてが好漁場である。近隣の漁師達は、 桜海老の存在を古くは江戸時代から知っていたが、明治27(1894)年12月、 由比の2人の漁師が偶然のことから大量の漁獲方法を発見、以来、 漁法など幾多の近代化が行なわれ、今日の隆盛に至っている。 漁獲量は平成7年度約2,515トン、17億円、県下104の事業所によって素干し 煮干しむきえび、釜あげ等に加工され、県内外に出荷し、当地の主要産業を構成し、静岡県を代表する特産品と して名声を博している。 最近の研究では、単にカルシウム、マグネシウム、鉄、リンなどを豊富に含む海産物 としての評価のみでなく血中のコレステロールや動脈硬化予防に効果のあるEPA (エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)なども含まれると発表され、 栄養学的にも注目を集めている。
桜海老栄養価比較(可食分100g当たり・日本食品標準成分表より) 食品名 カロリー
[Kcal]蛋白質
[g]脂肪
[g]カルシウム
[mg]リン
[mg]ほんまぐろ、生 赤身 133 28.3 1.4 5 280 素干し 桜えび 312 64.9 4.0 2000 1200 煮干し 桜えび 225 46.9 2.8 1500 860 豚肉肩ロース脂身なし 233 17.9 16.6 7 140 鶏肉むね皮なし若鶏 120 22.9 2.4 3 210 卵 生 162 12.3 11.2 55 200 魚肉ハム 164 13.4 6.7 45 50
1、生桜えび
近頃は、保冷便で全国どこへでもお届けできるようになった生桜えび。 もし手に入ればそのままでもお召し上がりください。磯の自然の風味、まさに 逸品風味です。レモンをかけるとまた格別。和えもの、酢のもの、卵とじなどに。2、釜あげ桜えび
100度のお湯でサッと煮あげたもの。いわば生のうまみにコクをつけた風味。 そのままか、細かく刻んで混ぜものい。寿司めし、シューマイ、ぎょうざ、てんぷら、 茶碗蒸し、サラダなどの。3、素干し桜えび
うまみが濃い、噛めば噛むほど味の濃い素干し桜えび。新鮮な生えびを日が昇ると ともに天日で干したもの。かき揚げが最もポピュラーな料理法。その他、焼きそば、 佃煮、お好み焼き、ちらしずしなどのも。4、煮干し桜えび
釜あげした桜えびをさらに天日で干したもの。歯ごたえのある素材です。 揚げもの、炒めもの、煮つけ、お好み焼きなどおそうざいなどに。詳しいレシピ集へ
桜えびの詳しいことがお知りになりたい方は、静岡新聞社より、「 さくらえび漁業百年史」が発売されておりますのでご覧ください。発売元:静岡新聞社/定価2700円
大森 信・志田 喜代江 編著
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